九州が育んだ食材と技術で上質のひと時をお客様へ。
1901年(明治34年)、福博最初の中国料理店として東中洲に誕生した福新樓は、2001年に創業100年を迎え、2014年に、現在の今泉へ移転いたしました。これもひとえに、お客様の代々に渡る福新楼へのご愛顧と存じ、心より厚く御礼申し上げます。
人も食材も日々異なる、大切にするのは「中国料理の本質」。
福新楼は創業より「中国料理の本質」にこだわり、中国料理店の経営を行ってまいりました。創業者張加枝に始まる福新楼の先達は、激動の明治・大正・戦中戦後の昭和と続いた苦難苦渋の時代、高度成長期から現在へ続くグルメと飽食の時代の中でも、常にこの「中国料理の本質」にこだわり、今日まで歩み続けてきました。
そして、創業110年目を迎え「食文化を軸にご期待をこえる味づくりを実践する」「地域社会へ貢献する」「その上で心豊かな生活を目指す」という3つを改めてミッションとして言葉に掲げました。この3つのミッションと「中国料理の本質」へのこだわりを胸に、これからも福博最初の中国料理店として、経営を続けてまいります。
明治三十四年、張 加枝(福新楼初代)は、居留地の長崎を離れたどり着いた博多の地に、福岡最初の中国料理店を開きました。博多は地の利が良く、故郷の中国福建省と地形や気候も似て、山海の食材の豊富さがその大きな理由でした。異国の味を博多の人々が「旨か、旨か。」と受け入れてくれた百余年前、以来、福新楼は「博多の中華の味」の初心を忘れることはありません。
中国料理で命とされるのは「湯(スープ)」です。その店の格は、「スープを飲めば分かる」と言われるほどに重要なものです。福新楼では、「新鮮なスープ」でお客様をお迎えするために、スープ担当の調理師が毎日早朝に出勤し、上質の鶏ガラと麦飯石水でスープを炊き出します。丹念に濾し上げられたスープには命が宿り、澄んだ黄金色のスープ(上湯)が誕生します。
「地産の食材を使い正統な技法で作るのが、旨くて身体に良い」これは福新楼に代々受け継がれる『薬食一如』(日本の医食同源と同じ意味)の教えであり、『身土不二』の考えと相通じるものがあります。「人は食物で育ち、食物は土が育てる。人と土が育った、その土地の四里四方で採れる旬の物を正しく食べて健康に生きよう」とするもので、食の安全の基本であると思います。
福新楼総料理長 王 和雄は、平成十五年に福岡市伝承活動技能職者として博多職人『博多マイスター』の称号を戴きました。調理歴は約半世紀を誇り、中国料理に精通した職人・調理師として学校や文化教室の講師も務め、中国料理の普及活動を行っております。